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出張手当は節税に繋がるのか?


一般的に、支店や営業所の少ない販売会社は出張が多くなります。特に営業担当は他県の取引先との商談や、売掛金の回収などで出張を頻繁にするようになります。

そして、出張の多い会社では、従業員が出張に行く毎に「出張手当」を支給する会社が少なくありません。

出張手当(日当)とは?

出張手当とは、役員や従業員の出張に要する交通費や宿泊費、食事代、交際費、雑費などの費用を実費精算するのではなく、予め決められた額を支給するものです。

従って、従業員からすると、会社からは規定通りのお金をもらい、実際には金券ショップで割引切符を買ったり、安いビジネスホテルに泊まったりしてお金を浮かすことが可能になります。

そのため、キャッシング即日などでお金を借りている人にとっては、出張手当はかなり嬉しい手当なのです。

なお、実費精算した上で出張手当を支給すると、それは給与として扱われます。

出張手当のメリット

出張手当は会社と従業員の双方にメリットがあります。
①会社のメリット
会社の主な税務上のメリットとしては以下の3つがあります。
(1)法人税の節税になる。
(2)消費税の節税になる。
(3)社会保険料の負担が発生しない。

(1)法人税の節税
出張手当を支給すると、会社は支給額を経費として計上できるため、法人税を減らすことができます。特に、出張手当は実費精算が不要であるため、出張先で実際に掛かった費用に関わらず、支給した金額をまるまる経費にできます。従って、出張の多い会社であればあるほど、節税効果が大きくなります。

(2)消費税の節税
会社が納める消費税の金額は、物やサービスの販売時における「売上に含まれる消費税」(課税売上)から、物やサービスの仕入時における「支払いに含まれる消費税」(課税仕入)を差し引いた額になります。

そして、出張手当は従業員が出張先での物やサービスを購入する費用と見做されるため、税務上「課税仕入」に該当し、そこに含まれる消費税額を課税売上から差し引くことができます。従って、出張手当を支給すると、そこに含まれる消費税分の額(8%/108%)だけ、消費税の節税につながります。

なお、給与には消費税が含まれないため、仮に出張手当ではなく給与や営業手当として支給すると、消費税の削減ができません。

(3)社会保険料の負担
出張手当は給与ではないため当然、給与額に基づいて算出される社会保険料にも関係しません。社会保険料は会社と個人が折半で負担しなければなりませんが、出張手当であれば負担しなくて済みます。

②従業員のメリット
出張手当を受け取る従業員(役員を含む)にとってのメリットは以下の2つです。
(1)所得税が掛からない。
(2)社会保険料の負担が無い。

(1)所得税が非課税
前記したように、出張手当は給与ではないため、所得税が課されません。つまり、給与として支給されるよりも、所得税分だけ手取り額が増えます。

(2)社会保険料が不要
社会保険料の負担が無いため、その分の金額がお得になります。つまり、所得税と社会保険料の金額の二重取りになるということです。

旅費規程の作成

出張手当の制度を認めてもらうには、社内に全従業員を対象とした「出張旅費規定」を設けていなければなりません。

出張旅費規程とは、出張時の交通費、宿泊費、出張手当などの取り扱いを定めた社内規程です。また、規定の他に出張の記録も作成しておくことが必要です。

そして、出張旅費規定には以下の3つのことを定めておきます。
①日帰り出張と宿泊出張の区分け
出張手当については、日帰り出張と宿泊出張とで基準を分けて設定する必要があります。日帰り出張よりも宿泊出張の方が食事代などの費用が余計に掛かるからです。

②役職ごとの常識的な金額の設定
出張手当の金額は役職ごとにバランスを取った上で、「常識的」な金額を設定しなければなりません。同じ規模・業種の会社と比べて著しく高過ぎなければ問題ありません。

③宿泊費・交通費の設定
常識の範囲内で、宿泊費や交通費の金額を定めておきます。役員における特急のグリーン車や飛行機のファーストクラスの利用も規定に定めがあれば可能になります。

出張手当がいくら節税になるとはいえ、無駄な出張をするようだと現金が出ていくことでキャッシュフローが悪化します。節度のある対応が前提です。ちなみに、個人事業主は出張手当の活用はできません。

また、プラセンタサプリ効果のような健康食品の買い付けに関して、出張手当が出るかは、事前に会社に確認することが必要です。